前ページからの続きです。
以前、ブログにコメントいただいたポーキュパインさんは、動きに迫力がある陳式をやってみたいとのことで、こういったご質問をいただいたことがあります。
(「ご質問&コメント」のところでも載せています。)
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太極拳のブログ探していたら見つけました。楽しく読ませてもらっています。
私も4月から太極拳を始めたのですが、入門、初級と続き半年くらいたったら24式に移行すると言われました。 私としては最初から迫力のある陳式をやりたかったのですが、まずは24式をするように勧められたので残念です。
陳式は24式(楊式?)を学んでからでないとできないのですか? それとも先生方の言う様に24式をマスターしてから陳式に進むほうが結果的にいいのですか? 知っていたら教えてください。
ポーキュパイン
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確かに陳式の方が動きが派手で見た目もカッコいいので、ポーキュパインさんのお気持ちは、私もとてもよく分かります(^^)
私の個人的な意見としては、「楊式太極拳24式(簡化太極拳24式)」も「陳式太極拳」も、どちらからはじめても構わないのではないかと思うのですが、ポーキュパインさんの先生がいわれることも確かに一理あると思います。
何よりもまず、「楊式太極拳24式(簡化太極拳24式)」の方が、陳式などの伝統的な太極拳よりも型が短くて覚えやすいことが上げられると思います。私の例ように、初心者の方が一年以上もかけて1つの型を覚えるのは、かなりの根気が必要だと思われます。(私の教室でも、残念ながら途中でやめてしまわれる方が多かったです、、(>
<))
教室の運営上、途中でやめられる方をなるべく減らさなければならないでしょうから、まだハードルの低い「楊式太極拳24式(簡化太極拳24式)」からはじめて、定着率を上げるという措置は必要なことなのかもしれません。裏側にはこういった”大人の事情”があると思われます、、(^^;)
まあ、それは半分冗談として、「楊式太極拳24式(簡化太極拳24式)」は動きがとてもゆっくりで、型も基本的なものの繰り返しなので、年齢性別問わず入門者用の型としてはとてもよくできたものだと思います。呼吸の練習や身体を緩めること、下半身の動かし方、重心を安定させる練習など、とても大事で基本的な要素が練習しやすいものだと思います。簡略化された太極拳ではありますが、とても奥が深いものだと思います。
たぶんポーキュパインさんの先生は、こういった太極拳の基本の要素の理解をとても重視されているのかもしれないですね! 確かに陳式は迫力があってカッコいいし、演舞しててもスカッとして気持ちがいいのですが、型にとらわれ過ぎていると、そういった太極拳の本質の部分を見過ごしがちになってしまうのかもしれません。
(各流派の詳細については、検索してみてくださいね! 動画サイトで流派ごとの雰囲気の違いを観てみるのもいいと思います。)
陳式は確かにカッコいいです! 私自身も、陳式のカッコよさに魅力を感じている1人です。でも、「カッコよさ」に視線を向けすぎてしまうと、本当に太極拳がもっている本質的な部分に気付きにくくなるのではないか。今だからこそ私も思うのですが、ゆっくりな動きだからこそ、太極拳が持っている大切なことを比較的容易に学べるのかもしれない
ということを忘れてはいけないと思うんです。うまく説明できていないのですが、、(^^;) 私も「陳式」をメインに学習していますが、なるべく太極拳の本質の部分の理解に注意を払うようにしています。
確か私の先生も言われていたと思いますが、同じ太極拳といえど、「24式簡化太極拳」と「陳式太極拳などの伝統的太極拳」は、ある意味、全く別ものとみたほうがいいとのこと。たぶん呼吸や身体のゆるめ方、重心移動といった基本の要素は変わらないでしょうが、型の動きが違うので身体の動かし方もかなり違うということだと思います。
私は太極拳をはじめてまだまだ年数が浅いのですが、「24式簡化太極拳」も「陳式太極拳」も、練習を続ければ続けるほど、奥が深いとも思ってます。
私は型を覚えて一年くらい経ってから、ようやく太極拳の面白さに目覚めてきました。それまでは型を一人でなぞるだけで精一杯で、よく分からないまま演舞を練習してました。
1つの型を何度も何度も練習することは一見地味なことなのかもしれませんが、続ければ続けるほど学ぶことが多いですし、太極拳の本質についての理解も進みます。それがまた太極拳の醍醐味であり魅力なんだと実感しています! 太極拳を長く続けている方の多くは、こういった太極拳の本質の部分を学ぶ楽しさを実感されているんだと思います(^^)
(私の個人的な感想ですが、呼吸や身体のゆるめ方、重心移動といった太極拳の基本の要素は、あらゆるスポーツに通じるものがあると思います。自分なりに太極拳の本質の理解が進めば進むほど、他のスポーツを観戦することによっても学ぶことが多いことが次第に分かってきました。)
今回コメントいただいたポーキュパインさんの通っておられる教室は、かなり実践重視なものだと思われます!せっかく陳式を教えていただける教室なので、教室の方針に従うというというのもいいかもしれませんし、根気づよく、また他の教室を探してみるというのもいいと思います。
いずれにしても、どの教室で習うかは、とても大事なことだと思います! 私もあまり深く考えずに直感的に選んだ教室に飛び込んだのですが、今になって思うのは、たまたま入った教室が自分にとてもあっていて、しかも「陳式」を学ぶことができて、とても運が良かったと言うことです。
これまでにも書き進めてきた通り、太極拳教室と一言に言っても、その性格は本当に無数にあると思います。
年配の方を対象にした教室から、激しい動きの型を教える若年層向けの教室まで、千差万別だと思います。
陳式をはじめとして伝統的な太極拳を教えている教室は、日本では総数があまりないと思いますので、もし読んでいる方の中で、陳式をされたい方がおられたら、今回の内容を参考にしてやっていただければと思います。
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