・「 自然な呼吸をしてください!」
・「 呼吸を止めないで! 」
太極拳を習いはじめた頃から、先生にいつも言われていました。
「呼吸を止めるな」なんて、当たり前じゃないか、、と思わないでくださいね。
実は、これが意外と難しいんです(^^;)
例えばただ単に立っている時など、無理の無い動作をするときは、呼吸は自然なまますることができますよね。
でも、例えば体を後ろへ思いっきり反らせるといった動作を想像してください。
どうですか? 呼吸を止めてしまいませんか?
無意識に呼吸を止めて踏ん張って、体も固くなってしまいますよね。。
例えば、何か物を拾おうとしてしゃがむ時、無意識に息をとめてませんか?
先生がいつも注意されるのは、こういった普段しないようなちょっと無理する姿勢や動作の時であっても、自然な呼吸を続けて、体を緊張させないようにしなさいということらしいのです。
動作の時に息をとめることで身体が緊張し、結果的に身体に大きな負担を与えているらしいのです。
私は始めの頃、この意味がよく分かりませんでした。でもあるとき先生に言われたようにしてみたら、何となく「あっ、こういうことだったのか」と思えるようになってきました。
それはいつもの準備体操でよくするストレッチなのですが、片足を外へ出してしゃがみ、足の筋を伸ばすという動作です。 ”コサックダンス”のような形といえば想像していただけますでしょうか?! よく学校の体育の授業でもされていたと思います。
この動作をするとき、始めのうちはやはり呼吸を止めてしゃがんでいましたが、体が固いままで足の筋も伸びづらく、体勢も安定しませんでした。
でも、先生が言われたように息を吐いて呼吸に意識してしゃがむと、徐々にですが体がリラックスして、緩んだ状態のまま足の筋を伸ばすことが出来るようになってきたようです。
しかも、呼吸を止めない方が体勢が安定するということも、少しずつ感じるようになってきました。
ちょっと説明がわかりにくいと思われるので、もう一つ自分なりに気がついた例を挙げてみたいと思います。
例えば、読んでいただいている皆様は、よく電車に乗られると思います。
混んでいて立たなければらず、吊り革も持てません。そんなとき電車が走り始めました。皆様はどんな体勢をとられますか?
もし膝を突っ張ったまま立っていたらどうですか?
たぶん体が安定しないと思いますし、呼吸も不自然で体も固くなっていると思います。
そんな時に膝を少し折り曲げてみたら、どうでしょう。意外にもバランスがとれて姿勢が安定しませんか。ここで意識的に呼吸をして身体の重心を徐々に下げていくと、ちょっとした振動では姿勢が崩れなくなると思います。
すこし脱線しますが、直立歩行できるロボットを想像してみてください。それらはたいてい膝を折り曲げた状態で直立していないでしょうか。恐らくその方が体勢が安定するのだと思います。
このような例は、私が個人的に感じたものなのですが、皆様も無意識のうちに体験されているはずです。それを太極拳の動作に置き換えればいいだけなんだと思っています。
呼吸を意識して太極拳の動作をしていて個人的に思うのは、おなかの中がとても気持ちよいということです。つまり呼吸とともに内臓が動いているということ。
日常生活で乱れた内臓の状態を、呼吸を伴った動作によって正常に戻しているのかもしれません。もしかしたら、この内臓の正常化も、太極拳が健康に良いとされる点の一つかもしれないなあと勝手に想像しています。
太極拳の教室に通うことで、呼吸についても学ぶ機会を持てたのは、個人的にはとてもいい事でした。
・動きの途中で呼吸を止めないこと、
・動作に対応した呼吸を心がけてみること、
・吐くことに集中してみること、
など、、、
いままで意識してなかったことに集中してみると、いろんな発見がありますね!
何となく感じるのは、人の身体って良く出来ているもので、意識しなくても身体に負担のないように呼吸をし、動作にあった呼吸をしているんだということ。
(例えばしゃがむ時は息を吐き、立ち上がる時に息を吸う。)
さらにスゴいのは、太極拳の動きがちゃんとそれを取り入れたものになっていること!太極拳って身体に負担のかからないように動きと呼吸が一体になっているんですね。だから全然疲れないし、気持ちいい運動なんですね!(^^)
(勝手な解釈かもしれませんが、、)
無理な姿勢の時に呼吸が不自然であれば、それだけ内臓に対する負担も大きいし、体全体にも負担を与えてしまうということなのだと思います。
ヨガや気功も呼吸が大事と聞きますし、もしかすると、どんなスポーツにも共通していえることなのかもしれません。
皆様も、ちょっと日常生活の呼吸にも注目してみてくださいね。(^^)
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