(2006年初旬ころ)
以前、Aさんからコメントとご質問をいただきました。
お母様が太極拳に興味をお持ちなんですね。本当にうれしかったです。(^^) ありがとうございます。非常に未熟ではありますが、私なりに考えを書かせていただきました。長い文章で申し訳ないのですが、参考にしていただけるとありがたいです。
まず、ご質問を一部転載させていただくと
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太極拳について少しお聞きしてもいいですか?
春からの講座で、母が太極拳を始めたいって言ってるんですが
全くの初心者でどんな動きをするのかわかりません
母は心臓が悪く、あまり胸を伸ばしたり圧迫したりするような
動きが出来ないのですが、太極拳にそういった動きはありますか?
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とのことでした。
私なりにお答えすると、太極拳はどのような年代の方にも身体にやさしい運動だと思いますし、一生涯続けられる運動の一つだと思います。お母様にもぜひぜひ始めていただきたい、心からそのように思います。
ただ、お母様が心臓のご病気とのことで心配されているご様子。その点につきまして私は医療の知識・資格がありませんので、基本的には主治医の先生のご判断に従っていただきたいと思いますが、以下に私が個人的に思うことを書かせていただきます。ご参照いただければ幸いです。
まず太極拳の動きとしましては、書店に置いてあるような太極拳の書籍をパラパラとのぞいて参考にしてもらえば何となくでもおわかりになられると思いますが、意外と全身のあちこちを大きく動かすという印象を受けられると思います。中腰姿勢でゆっくりと動く動作などは、慣れるまでは結構疲れるかもしれません。
「胸を伸ばしたり圧迫したりするような動き」について、それに似たような動きは確かにあると思われるですが、太極拳は基本的にゆっくりとリラックスして動くもののようですので、身体に負担をかけない運動でありますし、リハビリテーション等にも非常に向いているのではと思います。また、きちんとした呼吸法や気功を習われることで、よりいっそうの効果が望めるのではと思います。
でも、決して焦らないでくださいね(^^) どんなスポーツでもそうだと思いますが、太極拳や気功も効果が現れてきたと感じるのに、長い期間がかかるようです。
太極拳をせっかく習い始めたものの、すぐに効果が現れないせいか辞められていく方も結構おられます。私もはじめの半年くらいは何の動きをしているのかも分からず、効果も体感できませんでしたが、半年くらい過ぎた頃から、何となくですが身体が気持ちよくなり始めてきました。
先生曰く、たとえ一週間に一回であってもずっと続けることが一番の近道とこと。「ローマは一日にしてならず」「石の上にも三年」であります。ですから、はじめの何ヶ月かはちょっと辛抱してください。(^^;) それを超えたらきっときっと楽しくなってくると思いますよ!
リハビリテーションに太極拳や気功を取り入れている例としては、私が指導を受けている先生(女性)がされている指導例があります。なんと、脳梗塞で半身麻痺になられた80歳代の女性の方のリハビリテーションで、太極拳を指導されているんですよー。その方はゆっくりですが確実に回復されているようです!!! 本当にすごいですよね!
このような事例もありますから、あまりご心配なさらずに一度お試しになってはと思いますよ。春から講座に通われる予定とのことですが、一度主治医の先生やその講座のインストラクターの方に相談されてはいかがでしょうか。
もし、まだどの講座に通うか決めておられないようでしたら、教室の性格を把握してから講座を決定することが注意点としてあげられると思います。
ひとことに太極拳教室とは言いましても、指導方法(や流派)は教室によって様々だと思います。若い人向けの比較的激しい動きで指導する教室もあれば、中年の方々向け、高齢者の方々向けの教室、さらにはリハビリテーション向けの教室と様々なようです。
私が通う教室は30-40代の方が多いので、どちらかというと激しい動きで練習する時があります。以前60歳代の女性の方が入会されてきたのですが、やはり合わなかったためでしょうか、2ヶ月ほどで辞めてしまわれました。
このようなミスマッチが起こってしまうのは、本当に残念なことです。ですからお母様のご病気に合わせた指導をしてもらえる教室を探していただくことが重要かと思います。
それからもう一つ付け加えると、これは非常に重要な注意点だと思うのですが、お母様のようにご病気をお持ちの場合は、特に独学はされない方が良いと思われます。よほどご自宅周辺に通える教室が無いという場合は仕方がないとは思いますが、きちんとインストラクターの方についてくださいね。
なぜなら、太極拳の修練は単なる型(動作)の習得ではなく、呼吸法の修練でもあるからだそうです。私の先生も言われていたのですが、太極拳に限らず気功やヨガといった運動も呼吸法が大事なので、へたに独学ですると逆に身体を壊してしまうそうです。ですから、なるべくきちんとした指導のもと修練されるように重ねてお願いいたします。
以前ブログでお薦め書籍のご紹介しましたが、この本はこれから太極拳を始めようかなあと思われている方に、ぜひとも読んでいただきたいものの一つです。もう一度ご紹介させていただきますね。
『 これなら続く 太極拳 』
楊名時太極道師範 山内孝道 著
(農文協 1997年3月発行)
著者の山内氏は会社に勤めながら師範免許をとられ、現在は沢山の教室で教えられています。型の図解や具体的な説明なども載っていますが、著者自身が太極拳を習得していく上で感じたことをはじめ、これから習おうとしている人や初心者への温かいアドバイスが載っていて、すごく読みやすくて元気が出てくる本です。更に医学の世界でも注目される太極拳の効用なども、医療関係者へのインタビューを交えて簡潔にかかれています。
上記のお薦め書籍にも掲載されているのですが、最近では病気をお持ちの方でも太極拳が有効であるということが医学の世界でも注目されて、治療に取り入れられ始めているようですよ。その好例の一つが帯津三敬病院の取り組みだと思います。詳細は上記書籍や下記ホームページをご参照ください。
帯津三敬病院
http://www.obitsusankei.or.jp/he-exe/purpose.html
この病院では帯津良一院長の指導のもと、治療に太極拳や気功が取り入れられています。入院患者の自然治癒力の向上など顕著な効果が現れているそうです。
(帯津良一先生は、いろいろと雑誌などのメディアに登場されることも多いので、ご存知の方も多いかもしれません。)
私が指導を受けている先生の師匠の方のお話を聞いたのですが、その方は30代の時に身体を痛めたそうです。このままでは私は80歳まで生きられないだろうなあと思ったそうです。それをきっかけに太極拳をはじめられはや二十数年。今では肌もつやつや、光り輝くスーパーお師匠(女性)さんですよ!
ようやく最近になって「私、100歳までいけるわー!」 と思ってきたそうです。(笑)
私も先生や師匠のようにゆっくりでも着実に歩んでいきたいと思いますし、もちろん一生涯続けるつもりです! 100歳までいけるかどうかはわかりませんが(笑)
Aさんのお母様も、ぜひぜひ太極拳をはじめてくださいね!太極拳をきっかけに体調が回復されることをお祈りしております。私もまだ習い始めて一年ですから、 一緒に頑張りましょ!!
読みにくい長文で申し訳ないですが、参考にしていただけましたでしょうか? また気がついたことがありましたら、書かせていただきますね!
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